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(6) 旅の最後の思い出

1926年2月4日 上海から
ヴァルサリチェの会員一同へ

兄弟の皆さん

(略)先日、上海の街を廻って、特に私たちの支部が置かれている中国人地区を見てきました。諸外国やフランスの地区は、ヨーロッパの街と変わりありませんが、中国地区は、蟻の巣のように仕事と混雑でうようよしています。隣に贅沢や裕福があるのに、ここは、最悪の貧困やごみの中、人間的に劣悪な状態で人たちが密集しています。豪華な邸宅やあらゆる品物に溢れる商店街の側、茣蓙(ござ)で覆った小屋、ごみと不潔の中にいかに多くの大家族が生きていることか。(略)おお、何百万人の人々が、いかに見捨てられている状態にいるのか! もし、君たちが上海の若者や子供たちの大群を見ることができましたら!(略)

上海にて

この旅の終わりが近づいて、ためになるいくつかの結論を述べてみたいと思います。

1) 若いうちにあらゆることに慣れるように、料理にこだわらず、ドイツ、イタリア、中国など、どんな食事でも食べられるようにしなさい。でなければ、後は大変苦労することになります。
2) 主な外国語を学ぶようにしなさい。でなければ、後は、大変苦労、苦労、苦労することになります。
3) どんなベットにも慣れるようにしなさい。それは、固いほうがよいです。でなければ、後は、大変苦労、苦労、苦労することになります。
4) いつも、神との一致を保つようにしなさい。でなければ、後は、以上の習慣を身に付けなかったことから来る困難や恥ずかしさに耐えられなくなるでしょう。
5) あらゆる科目を勉強、勉強、勉強しなさい。東洋には、特に自然科学、デッサン、技術や外国語が高く評価され、一番要求されているものです。
6) できるだけ、良い習慣や聖徳を身に付けるようにしなさい。他のことなら、補うことはできるが、聖徳だけは、欠かせない最善の条件です。

残念ながら、こういうことを書いている私には、これらの多くのことが不足しています。だから、これらの欠点を補うためにも、皆さんの祈りを願っています。神が皆さんを祝福し、ご協力に対して私が十分に報いられるためのお恵みを祈っています。

君たちの兄弟 V.チマッティ神父

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