(39)友情、仕事の励まし、懐かしい思い出

宮崎1926年11月21日
Caviglia Alberto神父へ

親愛なるカヴィリア神父様

お手紙をいただいて、感激しました! 他人を理解し、理解されることはなんと美しいことか! 私たちは互いに理解し合ったに違いありません。恩返しのため、私は多くの祈りを捧げ、信仰を込めて祈ります。それには、たくさんの理由があります。

a 神父様が私に示してくださった愛情と、神様だけがご存じの、私に対する数多くの良いことにたくさん感謝するため。
b 特に、今、神父様が手がけていらっしゃる多くの仕事が成し遂げられるためです。今、神父様がドン・ボスコの著作の出版を担当なさることを聞いて、私の心は本当に喜び踊りました。信じてください(お世辞でも、他の卑劣な目的のために言う言葉でもありません)、もし私がその担当者を選ぶ立場であったならば、きっと、神父様を選んだことでしょう。心から神に感謝! 何回も私が黙想会で表明してきた望みがこれによって実現されることは、とてもうれしいことです。親愛なるアルベルト神父様、本当に喜んでいます。いつかその研究の成果を読めることを楽しみにしています。これは、ドン・ボスコを称えるため、扶助者聖母マリア大聖堂前の広場に記念像を建てるよりも良い方法です。ドン・ボスコに及ぶ名誉や、そこから生じる計り知れない善は、神父様にも及ぶことでしょう。神に感謝!

では、神父様から出された問題に答えます。

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今、私が知っているかぎり、日本にはキリスト教的美術はあまりありません。現在日本にある聖堂は、あらゆる様式のものです。大部分フランス人の司祭たちが建てたのですから、フランス様式か、あるいは様式なしのものといえます。日本的なのは、畳と木材ぐらいでしょう。信者たちが畳に座りますので、ほとんどの教会はベンチがありません。より日本的にするには、神道や仏教の寺院を真似していけば、信者は喜ぶと思います。寺院の中に、鮮やかな装飾(真赤な漆、黒、金、銀色)が施されていて、本当にきれいなものがあります。使われている貴重で頑丈な木材も素晴らしいです。何枚かの絵はがきを同封します。

将来、私が何かを建築することになれば(もう二つのものを考えているのですが)少し仕事を頼むことになりましょう。その場合、早めにお知らせいたします。今のところ、すぐに墓地のための小さなチャペルのスケッチをお願いできましたら……。信者の墓地がなく、仏陀や神々の間にお墓を作っているからです。

20×10メートルぐらいの長方形のもの、真ん中に十字架があるものなど、どうだろうかと考えています。目立つものが良く、見る人に、「カトリック信者は、自分たちの死者を大事にしている!」と言わせたいのです。墓地の件は、急を要します。初めは、木造でも結構です。日本人は、この面での技術はとても優れています。ここでの瓦は、特別な土で作り、形は少し波型、両縁が丸く立ち上がり、色は黒灰色です。しかし、銅版の屋根でもよいのです。その近くに、木も茂っています。

A (略)
B 私のささやかな著作〔『Don Bosco educatore, 教育者ドン・ボスコ』のこと〕の文献は、完全なものではありません。トリノ市、オラトリオやヴァルサリチェの図書館を探してみれば……。あちこちの会員にも問い合わせてみれば……しかし、彼らはなかなか返事をしません。(ロッシ神父は、当時、オクスフォードにおもしろい文献を見つけたと言っていましたが、もらっていません)。なお、〈Bollettino Salesiano〉、また中央評議会の図書館にも(何かあるでしょう)。他はありません。私が日本に来るとは思っていなかった時、機会があったら補足しようと思って、集めた資料が手元にありますので、ここに同封します。乱筆や紙切れの状態をお許しください。
C お茶のことは、こうしてください。炊事場に行って(……)少しの間沸騰したお湯に葉っぱを入れて、軟らかくしてください。その葉を取り出してから乾かして、粉々にして、お茶を作ってみてください。うまくいくでしょう。私は、毎日、すべての食事で、それをお腹いっぱい飲んでいます。でも、次は、トネリ神父に標本を送るとき、きちんと準備したものを送りましょう。
D 親愛なるカヴィリア神父様、この私を過大評価しないでほしいのです。自分たちの魂を救うことが一番大切であり、他は……。

皆、皆、皆にお祝い申し上げます。私にとって、トリノの聖ヨハネ支部は、大したことではできなかったにしても、サレジオ会員として具体的な活動ができた場所です。しかし、それができたのは、素晴らしい会員の皆さんが心身とも支えてくださったからです。毎日、皆さんを思い出してお祈りしています。今は、それしかできない立場です。

アルベルト神父様、あなたに心から大きなキスを送り、抱きしめます。ドン・ボスコの光栄のために働きなさい。それは、マリア様と神様の栄光にもなり、この地上の教会の光栄にもなります。これからも、私のために祈り続けなさい。毎日、心と、考えと、祈りをもってあなたの側にいます。

あなたの V・チマッティ神父

私のイタリア語の文体を許してください。この大変な日本語を覚えることによって、私の母国語はおかしくなってしまいました。