自然科学に詳しい
農学部で自然科学の博士号を修得したチマッティ神父は、一生の間、自然に対して深い関心を示した。イタリアでは15年間も毎月『農業雑誌』に記事を載せ、農業関係のあらゆる内容を取り上げた。「記事の具体性や分かりやすさのために愛読されていた」と編集長が証言している。農学の教科書の他に、農家のための手引き書3冊も書いた。
師にとって、「自然は神に創造されたものであり、それを通して神の知恵と愛を悟ることができる」と言っていた。
資料館を訪れるとき、化石、鉱石、植物や昆虫の標本、自然に関係する多くの資料を見て驚くであろう。宮崎県の動植物の分類について2冊の本をまとめ、1938年、その一冊を天皇陛下に献上した。お返しに、10枚の海藻の標本を贈られ、「わたしの愛するヴァルサリチェへ」と書いて、そこの自然博物館に送った。自ら標本の科名と日本名を記し、イタリアの多くの博物館にも送ったりした。資料館にある多くの珍しい化石や鉱石は、世界中の教え子たちから送られて来たものである。

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