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【脚本】「細川ガラシア」−全三幕−
脚本 ヘルマン・ボイヴェルス / 作曲 ヴィンチェンツォ・チマッティ

Last Update:
08-11-05

第一幕

蓮の花(序)
味士野 蓮池の場
丹後国、細川領、味士野の女城の奥庭
池ありて美しき蓮の花咲く
天正11年(西暦1583年)夏の朝

少斉 正時、正時
正時 御家老少斉どの
少斉 城の警護(まもり)如何に。
正時 万事、ぬかりございませぬ。
少斉 羽柴方の不意討ち、夜討ち、城の内、外に心せよ。
正時 承知いたしております。
少斉 奥方様は明智日向守のご息女なれば秀吉公必ずやこの城を…。
正時 お見逃しなさるまい。
少斉 この上ともに見張りを固く。行け!。
正時 ハッ
   
正時 〈アリア〉身を隠す 野間の吉野の奥深く
花なき嶺に 鳴く小鳥かな
清原 呪わしき世なれや、奥方様は今、深き悩みをもて戦のにえとなれる身ぞ。

(美しい朝の音楽)

清原 御家老様、お城の警固、御苦労にございます。
少斉 清原どの、羽柴殿には軍勢あまた、この味士野に差し向けられしとか…
奥方様のご様子は
清原 何のお変わりもなく、羽柴殿には明智につながるものを根絶すとのお心か
少斉 手向いいたさばお家は断絶、お家のため御自害をば
清原 何としても奥方様をお守りいたします。力のかぎり。
少斉 万一の時には奥方様に御自害の程、おすすめ下されや。清原どの。
村人たち いかでかは御裳濯川(みもすそがわ)の流れくむ 人にたたらむ疫れい(えきれい)の神
清原 お聞き下されませ。村人達が奥方さまを讃える歌
味士野にお出でなされてから流行(はやり)病も、争いも退散、村人達は神様の様にあがめております。
少斉 秀吉勢の来ぬうちに御自害をお勧め下されや
清原 それはできませぬ
清原 〈アリエッタ〉味士野の蓮の花、田辺の春の喜び 大阪の屋敷の桜、
うぐいすの喜びために 向けられた剣の光、死の苦しみ 悲しきは愛の別れ、悲しきは愛の別れ
正時 清原どの
清原 正時様。羽柴殿の手勢まだ見えませぬか
正時 戦いの庭にも恋の花咲く
清原 この花をご覧じませ。土の中より咲きいずる汚れを知らぬ美しさ
やがてまた萎む運命(さだめ)
正時 花の行く末知らねども、今を盛りの一時はつゆとおく身のはかなさ
生きの命の限りなれ、こがるる想い、いろに出て
清原 その苦しみは同じ事。
正時 いとしと想うひとゆえに
清原 許したまえや。
夫人 清原、
夫人 清原
清原 ハイ、奥方様
夫人 そなたは何を見ているのじゃ
清原 朝露に輝く蓮の花を見ております。
夫人 その露より軽く秋の来る前に、この世を去らねばならぬ。消えゆく我が命
清原 何と仰せられます。おいたわしや、すでにお覚悟をば
夫人 父、明智日向守光秀、山崎に討たれてこの方、田辺の城を追われ、
清原 味士野の山深く 都の春をよそに、
夫人 この花を友として
〈アリア〉清らかなる蓮の花よ、私は今そなたと同じ思いに灼熱の試練をおくる身ぞ、夏の陽は焼くが如く燃ゆるこの胸、恐れもせぬ、怒りもせぬ、唯笑ってそなたの如く、唯笑って微笑みを湛えながら、唯一人、そなたが教えし微笑みを、その微笑みをこの世名残りの頬に湛えて、しぼみゆくそなたと同じ土の中へしぼみゆくああ……
少斉 只今、物見のものより注進。羽柴方の使者とおぼしき一隊、街道すじに現れました。
夫人 羽柴方の使いとか
村人たち ああ
正時 村人達が危急を知り打ち揃って参りました。
夫人 村人達が……
正時 お役に立ちたいと……
夫人 心からお礼を申します。しかし、少斉どの、皆に引き取るように云うて下され。
村人たち ああ
夫人 生まれて20年、父母の教を守るは今
試練の時は今 
何のための懐剣ぞ
生まれて20年
清原 今日まで数々の苦しみにお耐えなされし奥方様
お心強くお持ちくだされませ
少斉 奥方様、御殿の使者として大阪表より覚義推参。
覚義 御殿忠興公の命によりお迎えとして参上。
夫人 何、殿よりの御迎えとか
少斉・正時 ハッ
覚義 さても秀吉公、御主君の勲(いさお)忘れ給わず
奥方様を大阪に迎えよと。
夫人 そうであったか、そなたは新しい命を持って来てくれました。
覚義 この味士野の花を大阪にお移しあそばすとのこと御殿忠興公の命により
少斉 羽柴殿の使者と覚えしは御殿よりの御迎え
清原 花よ喜びを共に 新たなお屋敷に 新たな愛が開きそめます
夫人 けれど蓮の花にたずねます。いつまでもそなたを育て花を咲かせてくれるは果たして誰、誰。
少斉 悩み多き年月の流れ
覚義 またくる春の花の喜び
正時 明るい陽の中に開く喜び
夫人 〈アリア〉これもまた迷いの絆 新たなさざ波 陽の中で 白く光るあわ
それもわずかのま すぐに深い底知れぬ 谷あいに投げ込まれる
無の中より 無の中へ 迷いの淵 迷いの瀬 無の中より無の中へ

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第二幕

桜の花(破)
大阪市街、南蛮寺門前
傍に桜の大樹ありて満開
天正15年(西暦1587年)春 昼下がり
教会の聖歌隊合唱で幕を開く

聖歌隊
Ave Maria, gratia plena
alba serena, Mater Iesu.
Tu nos respice, sancta Maria.
Oh, nostra mater pia, Virgo Maria.
三浦 また戦いです。世の中おさまる時ありません。
神父 やがて平和来るでしょう。平和こそすべての人の願いです。
三浦 九州は秀吉公の戦いの最後の地 よせての将は高山右近殿
神父 高山殿 早く平和にしてくれるよう祈りましょう
三浦 パードレ、それではしばしの間、聖心(みこころ)のあかしのため行ってまいります。
神父 疑いに恐れることなく
三浦 〈アリエッタ〉この世の果てより招く父の御声 その聖き水を頭(こうべ)に戴き 我は神の子よ。
笛売り さあさ召しませ 笛を召せ おもしろのしらべについ誘われてお背戸に出たりゃ 月に見られて恥ずかしや さあさ召しませ 笛を
正時 お!これこれ、この辺りに尊き女性(にょしょう)二人見かけぬか
笛売り 尊きふたりの女性とは一体どなたでござりましょ。
覚義 みだりにご外出なさらぬ方じゃ お名前は申せぬ
笛売り ハハハハハハ
正時 何と!
笛売り 春がくりゃ、男だろうと女だろうと浮かれ出す。
覚義 無礼者!
笛売り 何事ぞ、花見る人の長刀(なががたな)
正時 知っているのか、これ、教えてくれ、御家老には切腹なさるとのこと何としてもお探しいたさねばならぬ。
笛売り 笛をお買いなさりませ。
覚義 からかうのか
花見客の
 合唱
飲めや歌えや、飲めや歌えや。桜さらさら さらさらさっと 春は桜の花吹雪 飲めや歌えや、飲めや歌えや。
桜 桜 弥生の空は見渡す限り 飲めや歌えや
天下は泰平 この世の春よ キラリ キラリ 南蛮寺の御堂の屋根の光るクルスに花が散る
桜さらさら さらさらさっと 花盛り 花盛り 花盛り 
桜 桜 弥生の空は見渡す限り 飲めや歌えや
桜さらさら さらさらさっと 春は桜の花吹雪 飲めや歌えや
神父 〈アリエッタ〉おお、この国、この都、我は説かん神のみ教え、遠き故国を離れて、はるばる来しこの国は常春、この国に説く神の御教え。
いかなる辛苦やあらん いかなる仇も恐れん
我は神の子よ 我は恐れずに説く 神のみ教え
巡礼の父娘 ふだらくや、岸打つ波の音遥か、大慈大悲におすがりは 同行二人のすげの笠 願をかけたる観音の、御利生願い、南無や南無。
巡礼の父娘 どうぞお赦しを
花見の男 いやだ、いやだ ここは天下の往来だ
巡礼の父娘 どうぞお赦しを
花見の男 花が咲いたりゃ、花見通いの酒の酔
何だ、何だ、ヤ、南蛮寺の坊様だ、これは、これはやっとどうです。
一献飲ましゃんせ。
神父 よろしい、よろしい、戴きましょう。
花見の男 この坊様は話せるワイ
神父 酒があなたを愉快にしたのでしょう。
お酒なくても花はたのしめます。
花見の男 そんなこと云わねえで一つ歌いなせ。
神父 よろしい、よろしい、歌いましょう。
花見の男 この坊様は話せるワイ
神父 〈アリア〉毎年、毎年、春は来る。つぼみがほろこび花が咲く、花が咲いても誰も不思議に思いませぬ
春は毎年持って来る。不思議に花を持ってくる。それが不思議じゃあるまいか。いっぱい咲くことが
野山も、街も花盛り、しかしどなたが花を咲かせるのでしょう。
花見の男 きまったことを申すバテレン殿。それは春のお天道様だ。ハハハハハ
南蛮寺のぼん様はきまったことを云わっしゃる。
巡礼父 お坊様は何処からおいでなされたのじゃな。
神父 大変遠いイスパニヤから舟にのって、海を渡って
巡礼父 何のために来られたのじゃな。
神父 宝を集めるために、しかしそれは物ではない金で買えないもの。
巡礼娘 南蛮の神様とは
神父 お!我が主よ 御心説くこの方へ 幸ありたまえと祈ろう
神の御名はデウス
助けたまえや 悩み
神父 そは救い主 
そは我が父
デウス 
助けたまえや 悩み
神父 ここは霊(たましい)の安らうところ、ここは神の家
父娘 今こそぬかづく我が心、我が悩み 救い給え 救い給え
悩みを悩みを救い給え
神父 デウス 我が主 救い給え 救い給え
我が主よ 我が主よ 救い給え
   
清原 高山右近殿より教えられし 天地を創りたもう神
ここが南蛮寺でございます 
案内をお頼み申す
三浦 いずれより参られしか
清原 この世の秘密を知りたいものでございます。花が咲き枯れる。
人は何故生まれ、何故死ぬのでしょう。
三浦 そのようなことに疑いを持たれる方は幸いです
永久の命を得られましょう お待ち下され
夫人 この世の秘密 花が暗い土の中より 光のこの世へ 目には見えないものがあることを天地日月 すべてこの世に生を受くるものを創りたまいしは 誰 誰 この世の秘密
笛売り ああ、この二人だ
清原 何者!
笛売り 笛をお買いなさりませ
覚義 お!正時どの、奥方様はどこにゆかれた?
正時 大阪の街という街を探し申した。いずれへ行かれたのであろう。
覚義 奥方様はいずれに行かれたのであろう。
正時・覚義 奥方様はいずれに いずれに
覚義 時に高山右近殿が追放じゃ
正時 何! あの九州征伐の総大将、高山右近殿が追放されたとは
覚義 キリシタン禁制のきびしい掟じゃ。
正時 この寺も、今に取り壊しの運命か
笛売り 笛を買うて下さるなら、お教えいたしましょう
覚義 こやつ、まだここに
正時 よし、買おう。教えてくれ 
ナ、ナ、何と! この寺へ
笛売り 奥方がキリシタンになられたら細川の家もあやうい
覚義 こやつ、怪しき曲者!
聖歌隊 Salve Regina, Mater misericordiae      
vita, dulcedo et spes nostra, salve.      
Ad te clamamus exules filii Evae,       
Ad te suspiramus gementes et flentes,
in hac lacrimarum valle.
Eja ergo advocata nostra,
illos tuos misericordes oculos ad nos converte;
et Jesum benedictum fructum ventris tui
Nobis post hoc exilium ostende.
O clemens, o pia, o dulcis Virgo Maria.

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第三幕

天の花(急)
大阪玉造 細川邸 夫人の居間
床の間に十字架の祭壇あり
慶長5年(西暦1600年) 夏の黄昏
洗礼を受け、夫人はガラシア、清原はマリアとなる。
忠興から外出を止められていた夫人にかわり侍女清原はたびたび南蛮寺に行き、セスペデス神父より教えを受ける。
このため清原は夫人より先に洗礼を受けマリアとなる。
夫人は侍女マリアより邸内にて洗礼を受け、ガラシアとなる。

細川ガラシア この世の暗い闇の中より 久遠の光へお連れ下された 
この世の暗い闇の中より 久遠の光へ光へお連れ下された 我が主よ
我が主の 久遠の光へお連れくだされた 久遠の光へお連れくだされた
我が主よ 我が主よ 我が主よ 我が主よ
子供の声 Alleluja, alleluja, alleluja!
Laudate Dominum omnes gentes,
collaudate eum omnes populi.
Alleluja, alleluja, alleluja!
   
清原マリア 奥方様 これが高山様から贈られた イソップ物語でございます
多良 マリア殿 またイソップの話をしてくだされや
清原マリア 多良様は絵を見ているだけでは満足なされませぬ それがどんな意味か知りたがっておいでなされます
細川ガラシア そのイソップは母が読んでしんぜましょう。
清原マリア みなし子たちが ガラシア様のお出でを待って
細川ガラシア 戦いのため、みなしごとなりし、いとけなき子らよ。父に別れ、母に別れ、頼み寄るべの月影
細川ガラシア サンタマリア み恵みを サンタマリア み恵みを み恵みを サンタマリア
清原マリア
(侍女)
サンタマリア み恵みを み光を サンタマリア み恵みを サンタマリア
子供の声 Alleluja, alleluja, alleluja!
Laudate Dominum omnes gentes,
collaudate eum omnes populi.
Alleluja, alleluja, alleluja!
   
清原マリア 奥方様の新しいお名前ガラシア
主の永遠の愛、主の赦されし口づけガラシア
Ave Maria, gratia plena, Dominus tecum.
Benedicta tu in mulieribus,
Et benedictus fructus ventris tui, Iesus.
Sancta Maria, Mater Dei,
Ora pro nobis peccatoribus,
Nunc et in hora mortis nostrae. Amen.
   
正時 清原どの
清原マリア アッ正時様 ここは奥方様のお居間
正時 おとがめは覚悟の上 清原殿 別れのために
清原マリア お別れとはいずれに
正時 味士野の山寺へ 世を捨てて
清原マリア 何と
今は大事の時 石田方と徳川 今に戦いになるといううわさ
正時 清原殿 古き想い出 今は昔によみがえる
清原・正時 味士野の蓮の花 田辺の春の喜び
正時 矢たけびにあけ じんがねに日を送る戦国の世ぞ のろわれよ いまわしき争いに いつかは地獄の火中なれ マリア殿
清原マリア 今はじめてマリアというてくだされた正時様
私の願いはただひとつ
正時 その願いとは?
清原マリア その願いとはただひとつ 神のみもとにつかえます心なり
恋しき人を失いて 何の生き甲斐ぞ
神のみもとにつかえます心なり
少斉 奥方様 奥方様
清原マリア 奥方様はお庭に
正時 ご家老さま
少斉 石田方より奥方様人質にと 押し寄せたぞ
御殿北陸へ出陣のお留守に不意打ちとは 卑怯なやつばら
正時 不意打ちとな
少斉 さては徳川方に味方のことを知ってか
正時 かねてより三成ばらの謀りごと
少斉 寄せ手を防ぐ用意せよ
正時 いざと云わばお館に火をかけ斬死
清原マリア どのようなことがあろうとも決して奥方様をお渡ししてはなりませぬ
少斉 無論じゃ、ゆけッ!
正時 ハハッ
覚義 御家老! 岩見の奴、石田方に寝返りを打ち申した。
少斉 岩見のやつ 石田方に寝返りした 
覚義
・清原マリア
あの種子島がただ一つの頼みであったに・・・
少斉 人の心は頼みにならぬものじゃ
細川ガラシア 静かに、あわてまいぞ、平和の日の来るために最後の勤めを果たそうぞ、女、童はお庭づたいの抜け道で南蛮寺へ逃れませ
清原マリア ガラシア様には
少斉 奥方様には
細川ガラシア
最後の勤めを果たすまで
〈アリア〉今こそ命捨つべき時、光輝くデウスのみ国の尊きみ光、我を召させ給う。紫の煙、真紅のほむらに五体は空に帰するとも我が霊の故郷へ、我は召されて帰る。我が魂の故郷へ 我は召されて帰る 
救い給えや、我が主よ、愛のみ手をさしのべ給え、最後の恵みをたれ給え、最後の恵みをたれ給え
花咲き競うその中に、天に帰する喜びは鳴り響く 喜びは鳴り響く
清原マリア 五彩の雲に天使のほほえみ、妙なる楽の音は讃歌を奏で、高らかに歌声は、四方(よも)にひびく
お召しの声 我を招く遙かなる天より、遙かなこの地上へ導き御声す、デウスの御声、我が父デウスの御声
マリアよ、マリアよ 子供達の行末をお願いいたします
清原マリア わたしもご一緒に
細川ガラシア いえいえ そなたは子供たちの行く末を
多良 母上様、母上様
細川ガラシア 多良よ、このマリアを母と思いて成人しませ
多良 母上様はいずこに 多良もご一緒に
細川ガラシア いえいえ 母は一人で参ります
多良 何故にお泣きなされます
細川ガラシア いえ 母は泣きませぬ 決して母は泣きませぬ
この涙 デウス様の賜り物
多良よ! 母の最後のほほえみぞ
少斉 いたましの ことかな
三浦 この上は一刻も早く南蛮寺へ
少斉 南蛮寺へ
三浦 デウス様の愛はとこしへに
清原 ガラシア様
細川ガラシア おさらば
正時 寄手はついに門を破って
細川ガラシア 正時
正時
少斉 今日の修羅の敵は誰そ。なに能登の守、教経とや。あら物々しや、手並みは知りぬ。思ひぞ出づる壇ノ浦の。その船戦、今ははや。その船戦、今ははや。閻浮に帰る生死の、海山一同に震動して、船よりは鬨の声。陸には波の楯。月に白むは、剣の光。潮に映るは、兜の星の影。水や空空行くもまた雲の波の、撃ち合い刺し違ふる。船戦の駈引。
   
少斉 煙硝をしかけ、火がかりいたせ
細川ガラシア 散りぬべき時知りてこそ、世の中の花も花なれ 人も人なれ

(四方から炎をまじえた煙が這い寄ってくる。少斉、ガラシア夫人を長刀で刺し、絶命。正面に昇天する気高きガラシア夫人の姿。)

天の声 Ave Maria,gratia plena. Amen.

 

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